この記事は2017年の秋に院内で配布されたリーフレット『フレッシュ通信 Vol.15:歯の生え変わりを正しく理解しよう!』のWeb版です。
(この記事は2019年4月15日に更新されました)
今年の夏も暑さが厳しかったですね。
体調を崩されていませんか?
少しずつ暑さもやわらいで過ごしやすい季節になります。
「行楽の秋」「食欲の秋」「読書の秋」… みなさん楽しんで下さいね。
さて、今回は小児歯科に深く関係する歯の生え変わりについてのお話です。
皆さんご存じの通り、人間は歯が生え替わっていく生物です。
歯の生え変わりは年齢を追う毎に進んでいきます。
歯の並びや本数が変わるということは、その時期その時期に応じて、適切な治療や予防の方法が変わってくるということです。
このため、小児歯科では年齢別に治療・予防のプログラムを変えて対応します。
当院でも年齢毎の治療・予防プランの提案に力を入れています!
生え変わりを理解して適切な治療・予防のプログラムを提供する大切さを、皆さまにご紹介できたらと思います。
歯が生え替わる必要って本当にあるの?
誰もが経験する乳歯(こどもの歯)から永久歯(大人の歯)への生え変わり。
「グラグラしてきた乳歯を自分で抜いた!」
という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そもそも、なぜ歯は生え変わるのか、いつ頃生え変わるのか、ご存知ですか?
歯が生え替わる必要性…
一言で言いますと
「あごの骨が成長して大きくなるから」です。
こどもと大人では体の大きさが全然違います。
体に合わせて、こどもの頭と大人の頭も、ずいぶん大きさが違います。
頭が大きくなるということは、当然、あごも大きくなります。
ところが、歯は生えた後に大きく成長することはありません。
最初からあごのサイズにぴったりの歯が生えるようになっています。
こどもの時代のあごの大きさに合わせて生えてくるのが乳歯、成長した大人のあごの大きさに合わせて生えてくるのが永久歯というわけです。
また、永久歯(おとなの歯)は乳歯(こどもの歯)に比べて本数も多くなります。
乳歯は全部で20本ですが、永久歯は親知らずを含めて32本です。
中には一番奥に生えるはずの「親知らず」が最後まで生えないこともあります。
永久歯が生えそろう頃にはあごの成長も止まり、もうそれ以上あごが大きくなることはないため、歯も生え変わる必要はないのです。
乳歯から永久歯へ一回だけ生え変わることを二生歯性(にせいしせい)と呼び、哺乳類の大部分が二生歯性です。
歯はどのようにして生え替わる?
1.あごの中で永久歯が時間をかけて成長します
2.永久歯の根が作られ始め、乳歯の根が少しずつ溶かされます
3.乳歯の根が溶けてなくなると、乳歯が抜け落ち、永久歯に生えかわります
歯はいつ頃から生え替わる?
個人差はありますが、乳歯は6歳前後から抜け始め、14歳くらいになるまでのおよそ8年間をかけて徐々に永久歯へと生え変わっていきます。
下のイラストで歯の生え変り時期の目安をチェックしてみてくださいね。
乳歯の名前と生える時期
乳歯は上顎10本+下顎10本、合わせて20本あります。
上顎
- A:乳中切歯(生後10ヶ月)
- B:乳側切歯(生後11ヶ月)
- C:乳犬歯(1歳6ヶ月)
- D:第一乳臼歯(1歳4ヶ月)
- E:第二乳臼歯(2歳5~6ヶ月)
下顎
- A:乳中切歯(生後8~9ヶ月)
- B:乳側切歯(1歳0ヶ月)
- C:乳犬歯(1歳7ヶ月)
- D:第一乳臼歯(1歳5ヶ月)
- E:第二乳臼歯(2歳3ヶ月)
永久歯(おとなの歯)への生え替わり時期
永久歯(おとなの歯)は上顎14本+下顎14本、合わせて28本あります(親知らずは含めていません)。
第一大臼歯は「6歳臼歯」、第三大臼歯は「親知らず」と呼ばれることもあります。
上顎
- 1:中切歯(6~7歳)
- 2:側切歯(8歳)
- 3:犬歯(10歳)
- 4:第一小臼歯(9~10歳)
- 5:第二小臼歯(10~11歳)
- 6:第一大臼歯(6歳)
- 7:第二大臼歯(12~13歳)
- 8:第三大臼歯(17歳~)
下顎
- 1:中切歯(6歳)
- 2:側切歯(7歳)
- 3:犬歯(9~10歳)
- 4:第一小臼歯(9~10歳)
- 5:第二小臼歯(10~11歳)
- 6:第一大臼歯(6歳)
- 7:第二大臼歯(11~12歳)
- 8:第三大臼歯(17歳~)
まとめ
身長や体重などと同じく、歯の成長にも個人差があります。
「乳歯が抜けたのに永久歯が生えてこない!」
「この歯はこの位置で大丈夫?」
など、 少しでも気になる点がございましたら、いつでもお気軽にご相談下さい。
永久歯は生涯ずっと使っていく歯です。
生涯、自分の歯で美味しい食事ができるように定期的に健診、クリーニングを受けて、こどもの頃から歯を大切にしていきましょう!