この記事は2018年の1月に院内で配布されたリーフレット『フレッシュ通信 Vol.17:キシリトールと虫歯予防』のWeb版です。
新年明けましておめでとうございます。
本年も皆様のお口の健康の手助けができるよう、スタッフ一同頑張りたいと思いますので宜しくお願い致します。
2018年最初のフレッシュ通信は「キシリトール」についてです。
キシリトール・・・よく耳にされると思いますが、今回は少し詳しくお話していきたいと思います。
キシリトールはあくまでも「補助的な役割」と言えます。
キシリトールに関しては過大な広告も多いため、「キシリトールを摂ってさえいれば虫歯にならない」という思い込みが強くなりがちになります。
なぜ、ここまでキシリトールが虫歯予防として注目を集めたのでしょうか。
そこには4つの理由があります。
1.キシリトールは虫歯の原因となる酸を作らない
虫歯は虫歯菌がつくる酸によって歯が溶ける病気ですが、キシリトールには虫歯菌に酸をつくらせない性質があります。
2.キシリトールは虫歯菌の動きを弱くする
キシリトールを大々的に宣伝するキャッチコピーに「キシリトールで虫歯菌を殺菌」「虫歯菌を減らす」などのようなフレーズが使われます。
しかし、キシリトール自体には「虫歯菌を殺菌する効果はない」ので注意しましょう。
キシリトールはあくまで虫歯菌の動きを弱めるだけで、虫歯菌自体を殺してしまう働きはありません。
3.キシリトールがプラークの性質を変える
キシリトールには虫歯の原因となるプラークの性質を変え、虫歯菌が歯の表面に集まりにくくする働きがあります。
虫歯菌は砂糖を元にしてエネルギーと酸、そしてもう1つ不溶性グルカンという物質をつくります。
不溶性グルカンとは水に溶けにくいネバネバした成分です。
ネバネバ成分で集まった虫歯菌の集まりがプラークで、プラークが歯の表面に密着しやすいことも虫歯のリスクを高める原因となります。
4.再石灰化を促す
キシリトール自体に再石灰化の効果はないのですが、キシリトールの甘味が唾液の分泌を活発にし、再石灰化を促します。
唾液と歯の再石灰化には深い関係があり、唾液の量が増えると歯の再石灰化が促され、結果として虫歯予防の効果が得られるというわけです。
脱灰とは
口の中が酸性になり酸によって歯が溶け出すこと
再石灰化とは
口の中が中性~アルカリ性に戻ると唾液中のカルシウムが再び歯に取り込まれること
口の中でエナメル質の表面は、常にこの脱灰と石灰化が繰り返されています。
キシリトール商品を選ぶ際と摂取する際の注意点
- 他の糖が入っていない(糖類0である)
- クエン酸や果汁が入っていない
- 含有量の多いものを選ぶ(歯科用は100%が多い)
- 一度に多量に摂取するとお腹がゆるくなることがある
- 商品には、タブレット、ガム等があり自分にあったものを選ぶ