この記事は2018年の秋に院内で配布されたリーフレット『フレッシュ通信 Vol.21B:オーラルフレイルを予防しましょう!』のWeb版です。
(この記事は2019年7月24日に更新されました)
9月に入り、ようやく過ごしやすくなってまいりました。 今年の夏は本当に暑かったですね。 お疲れが出ませんようにご自愛下さいませ。
さて、今回はオーラルフレイルについてのお話です。
「オーラルフレイル」と言われてもあまり聞き覚えのない言葉ではないかと思います。
まずは「オーラルフレイルとは何なのか」というお話を中心に、皆さんにオーラルフレイルについての知識をお届けいたします。
オーラルフレイルとは?
日本語訳では「お口の虚弱」という意味になります。
oral = お口の
frail = 虚弱
フレイルは医科の方でも使われている言葉で、お年を召すにつれ、筋肉が落ちたり、精神的な活力が落ちて、虚弱になることを言います。 体重が減った、疲れやすい、歩行が遅くなった、以前は楽しみにしていたことをしんどく感じるようになった、などが典型的な変化です。
これら全身のフレイルの前の変化として現れるのが口の機能低下(オーラルフレイル)です。
オーラルフレイルは社会的にも大きな問題となってきています。
厚生労働省や日本歯科医師会では、「8020運動」と合わせて「オーラルフレイル対策」を推進していくことをすでに発信しています。
フレイルについての重要な点は、
- 健康な状態と要介護状態の間の状態であること
- 適切に対処すればまだ健康な状態に戻すことができる状態であること
です。
今はまだなじみのない言葉だと思いますが、今後どんどん耳にするようになっていくでしょう。
このような症状に心当たりはありませんか?
1.発音がはっきりしない
2.むせる・食べこぼす
3.食欲がない・少ししか食べられない
4.柔らかいものばかり食べる
5.滑舌が悪い・舌が回らない
6.お口が乾く・ニオイが気になる
7.自分の歯が少ない・あごの力が弱い
お口の健康から体の健康を支える
咬み合わせが安定しており、さらに舌や口唇、頬などが協調して、しっかり「咀嚼(そしゃく)」「嚥下(えんげ=飲み込む)」ができている人は、そうでない方より生存率が高いという研究結果が出ています。
その理由として
- 転倒しにくい
- 認知症の予防になる
- 低栄養になりにくい
などが挙げられます。
まとめ
オーラルフレイルの対策はまだまだ始まったばかりの医療です。
オーラルフレイルは予防への前向きな姿勢が一番大切です。
気になる症状がある方は、まずはご相談下さい。
現在、お困りの方はもちろん、不調のない方もお口の現状をしっかりと理解し、適切な予防に努めましょう!